多肉植物がうまく育たない原因に水のやり方に問題がある場合があります。
「多肉植物は水がいらない」逆に「植物なので毎日水をあげないとダメ」どちらだと思いますか?
正解はどちらも間違いなんです。では正しい水やりとは?
ここでは多肉植物の水やりの時間に注目してみましょう。
まずは一年中同じ時間にあげるわけではないのです。季節ごとに水やりの時間を紹介します。
そして多肉植物の生育型によっても違いがありますので確認してください。
他にも時間や量や与え方など、水やりの基本についてもおさらいしておきましょう。
水やりの大切さを確認して元気に育ててあげることが出来ますね。
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多肉植物の水やりの時間は季節によって変えましょう
「多肉植物の水やりは少ないので楽だ。」という話をよく耳にしますよね?
実際、乾燥して痩せた土地に自生していた植物が多く、日本に自生する植物よりも少ない水で育つことが出来ます。
しかし、他の植物よりも水やりが少なくて良いからこそ、量や与える時間などに迷ってしまいませんか?
多肉植物の育て方の疑問でよく耳にするのは、やはり水やりに関することが多く、与える時間帯や量、タイミングなどが主だった内容です。
ここでは、水やりの方法について、細かくご説明しましょう。
水やりの時間帯
日本には四季があり、それぞれで気温が大きく異なりますから、四季に分けてご説明しましょう。
- 春秋
比較的穏やかな気温なので、午前中に与えましょう。 - 夏
気温が高くなる日中を避けて、涼しくなる夕方以降の時間帯にしましょう。
午前中などに与えると、気温の上昇とともに水分が蒸発して、株が蒸れる原因になります。 - 冬
気温が低くなるこの季節には、暖かい日の日中に与えるのが良いでしょう。気温の低い時間帯に与えると、根が傷んだり根腐れの原因になってしまいます。
気温や天候などを目安に与える時間帯を調整することで、多肉植物への負担を減らすことが出来ます。
多肉植物の水やりの時間は生育型にあわせましょう
多肉植物の水やりについては、与える水の量についても疑問が残るところですよね。
一般的な観葉植物などは、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。
しかし、水やりが少なくて良い多肉植物の場合、どれくらいの量を必要としているのか、迷うことと思います。
多肉植物は元々乾燥した地域に自生していた植物が多く、それらの地域には雨季と乾季があります。
雨季の時期にはグングンと成長して沢山の水分を体に溜め込み、乾季には活動を控えて乗り越える事ができるのが、多肉植物です。
日本で育てる時にも、成長期には雨季のスコールのようにたっぷりと水を与えますが、休眠期にはほとんど水は与えません。
多肉植物は自生していた環境を好み、それぞれの成長スタイルも違います。
そのため、日本の気候と照らし合わせて3つの成長タイプに分類されています。
水やりはそれぞれの成長タイプに合ったタイミングと量を守ることが、上手に育てる秘訣です。
- 春秋型(アナカンプセロス、エケベリア、クラッスラ、セダム、セネシオ、ハオルシアなど)
春と秋が成長期で、夏は成長が穏やかです。
冬は休眠します。
育てる時には、夏も休眠期と同様に育てることで、根腐れを防ぐことが出来ます。 - 夏型(アロエ、アデニア、カランコエ、グラプトペタルム、サンセベリア、ユーフォルビアなど)
春から穏やかな活動をはじめて、夏が成長期、秋にはまた緩やかな活動となり、冬は休眠します。
暑さに耐えることは出来ますが、乾燥している地域に自生していたため湿度には弱いので注意が必要です。
水やりで湿度が上がって生育が悪くなる場合には、水やりの減らして調整しましょう。 - 冬型(アオエニウム、オフタルモフィルム、コノフィツム、フォーカリア、リトープスなど)
秋から緩やかに活動を始め、冬が成長期で、春にまた穏やかな活動になります。
夏は休眠期です。
比較的寒さに強い種類ですが、極寒には耐えることが出来ません。
そのため成長期の水やりは気温が下がる時間帯は避け、暖かい日の日中に行います。
どのタイプも活動している期間は土がしっかりと乾いたのを確認してから、たっぷりの水を与えるのが基本です。
そして、休眠期にはほとんど与えません。
ほとんどの種類は、成長期には1週間に1度程度、休眠期には月に1回程度が目安です。
ただし、種類によっては異なる場合もありますから、育てている多肉植物について調べてみることをおすすめします。
水やりは量や間隔の日数の目安よりも、土の状態や葉っぱの状態を見ながら水やりする方が失敗が少ないように思います。
できれば、毎日多肉植物の状態を見てあげてください。
プックリと張りのある葉っぱが、少し萎れていたり張りが無くなったように感じたら、それは「お水が欲しいよ!」というサインです。
成長期にはそのタイミングでたっぷりとお水を与えましょう。
パンッと張りのある元気な姿を見せてくれますよ。
多肉植物の夏の水やりの時間やコツを紹介します
多肉植物の水やりで気をつけないと行けないのが、夏場の水やりです。
乾燥した環境に自生していた多肉植物は、蒸れにはとても弱いことを覚えておきましょう。
夏の水やりのポイントは以下の3つです。
- 涼しい時間帯を選ぶ
夏場の水やりは夕方以降の涼しい時間帯に行いましょう。
日中の高温で水分が蒸発して湿度が高くなって、株が蒸れてしまうのを避けるためです。 - 水やりの回数は控えめに
休眠期にあたるタイプは、水分をほとんど必要としていないので月に1度程度にします。
夏が成長期のタイプでも、乾燥を好むタイプの場合には蒸れを防ぐために少し控えめにした方が良いでしょう。
蒸れを起こして生育が悪くなった場合には、水やりの間隔をあけることで根腐れを防止できます。 - 水の量も控えめに
夏場が休眠期の場合には、1回に与える水の量も控えめにするのがおすすめです。
通常を与える時には鉢底から流れ出るくらいたっぷりと行いますが、夏場は鉢の半分程度まで減らしても良いでしょう。
夏場で最も気をつけなくてはいけないのが、蒸れによる根腐れです。
多肉植物は乾燥には強い植物ですから、水分過多よりも水分不足の環境のほうが得意です。
多肉植物の水やりの基本をおさらいしておきましょう
多肉植物の水やりについてご紹介してきましたが、疑問は解けたでしょうか。
水やりの基本
- 成長タイプに合わせて、与える量を調節する。
- 季節に合わせた時間帯に与える。
- 土がしっかりと乾いてから、鉢底から水が出るくらいたっぷりと与える。
この3点が水やりの基本となります。
成長タイプや季節や量を気にかけてお世話することはとても大切です。
しかし、忘れないで欲しいのは、水を必要としているのは多肉植物だということです。
たとえ土がしっかりと乾いて、週1回や2週間に1回など目安の間隔を空け、水やりの時間帯を迎えたとしても、葉っぱがまだ活き活きとしてパンッと張りがある状態なら、水やりは必要ありません。
多肉植物が水を欲していない時に水やりしても、水を吸い上げないため土に水分が残り、蒸れや根腐れの原因となってしまいます。
植物を育てるのは、子供を育てるようなものです。
出来れば毎日様子を確認して、多肉植物の調子に合わせたお世話をしてあげましょう。
多肉植物の水やりが他の植物と違う点について
多肉植物が他の植物ともっとも違う点は、「体の中に水分を蓄えることが出来る」という点です。
その能力ゆえに、プックリとした愛らしい独特のフォルムをしているのです。
一般的な植物が、毎日のようにせっせと水分を吸い上げなくてはいけないのは、体に水分を蓄えられる量が少ないからです。
多肉植物は、雨季には沢山の水分を体に溜め込み、乾季に入ると次に雨が降るまでの長い期間を体に蓄えた水分を少しずつ使って耐え抜くのです。
また、光合成も他の植物と違います。
一般的な植物は昼間に気孔を開けて二酸化炭素を取り込み、光合成を行って酸素を放出します。
しかし、多肉植物は暑い地域に自生していたのです。
気温の高い昼間に気孔を開けていては干からびてしまいますよね。
そこで夜間に気孔を開けて二酸化炭素を取り込み、昼間は夜に取り込んだ二酸化炭素を使って光合成を行うのです。
多肉植物は、水分を節約しながら成長することが出来る、凄い植物なのです。
長い期間水やりしないと枯れてしまわないかと心配になってしまいますが、多肉植物を枯らしてしまう一番の原因は水の与えすぎによる根腐れです。
水不足くらいを意識しながら育てる方が、元気に育ってくれますよ。