苔盆栽の基本的な育て方と植え方【盆栽初心者向け】

盆栽と言うと、年配の男性の趣味だと思っている方が多いと思います。
しかし、最近は若い男性も盆栽に興味を持つ方が増えてきていると言います。
中でも苔は見ているだけで癒やされ、お手入れもそれほど手間が掛からないので、植物を育てたことがないという男性にもおすすめです。

初心者向けの苔盆栽の育て方についてご紹介します。

今まで植物を育てたことがない方に、手間が掛かる植物はちょっとハードルが高いですよ。
まずは、苔の緑で日々の疲れを癒やして下さい。

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初心者向け、苔盆栽の育て方

少し前の盆栽は、年配男性の楽しみというイメージでしたよね?
しかし、最近ではインテリアとしても楽しめるので若い男性にも人気があります。

特に苔盆栽は手間もあまりかからない上に、小さな庭園のように楽しむことも出来るのでおすすめです。

苔盆栽の手間がかからない理由の一つに、「苔は肥料を必要としない」という点が挙げられるでしょう。
一般的な植物の場合には定期的に追肥を行ったりしますが、苔の場合には必要ありません。
土の無いところでも育つ事ができますから、必要なのは「水と光」だけと言えるでしょう。

水は、苔の表面が完全に乾いたら、霧吹きなどでたっぷりと与えます。
水を好むイメージがありますが、水にずっと浸かった状態では枯れてしまうので注意しましょう。

苔の生長のためには、光も必要となります。
普段は半日陰~明るい日陰の風通しの良い場所で育てましょう。
2~3日間隔で屋外で日光浴させてあげるのが理想的ですが、夏場の直射日光は避けましょう。
照り返しを避けたいので地面には直接置かず、木製の台に乗せると良いでしょう。

苔盆栽を育てるための苔の探し方

苔盆栽をお店で購入するのは簡単ですが、せっかく育てるなら自分で苔を採取したいと思いませんか?

自分で探した苔を育てる方が、より一層愛着が湧きますよね。

苔は意外と身近な場所にも生えていますよ。
道端や川沿いの土手、コンクリートやブロック塀、レンガなどにも見られます。

歩道の脇やコンクリートなどの塀には、ギンゴケ・ホソウリゴケ・ハマキゴケなど、日当たりの良い場所の砂溜まりなどにはスナゴケなどが生えています。
土手や森林、草地などでは、イゴケ・スギゴケ・コスギゴケなどが見つけやすいでしょう。

苔は種類によって生息場所が違いますが、一般的には適度な日当たりがあって、空気や土中の湿度が高い場所に生えやすいです。
午前中は日があたって、午後には日陰になるようなところを探すと見つかりやすいです。

苔を採取するときには、ペーパーナイフが便利ですよ。
また、採取した苔を入れるトレーも用意しましょう。

苔を見つけたら、ペーパーナイフを押し当てるようにして、そのまま水平に動かして土ごと苔を採取します。

当たり前ですが、人の敷地内の苔を採取したい場合には、家主の了承を得るようにしてくださいね。
たかが苔と思うかもしれませんが、人の敷地内である以上断りを入れるのが、人としてのモラルです。

探した苔を苔盆栽に!植え方と育て方

苔を採取したら、次は苔盆栽に仕立てていきます。

まずは苔の処理

採取した苔にはホコリやゴミ、虫などがついている可能性がありますから、水で軽く洗います。
強く洗うと苔がバラバラになってしまうので注意しましょう。
茶色く色あせている部分にはカビが発生している可能性があるので、周辺の苔ごと取り除いておきます。

植付け作業

●用意するもの

  • 器(お好みの容器を用意しましょう。鉢の場合には底穴ネットなども用意します。)
  • 軽石
  • ソイル(アクアリウム用のものでOK)
  • ケト土

軽石は水で軽く洗っておきます。
ケト土は苔とソイルを接着させる役目です。柔らかくなるように、水を含ませて捏ねておきましょう。

●手順

  1. 器の半分弱程度まで軽石を敷きます。
  2. ソイルを敷きますが、次のケト土と苔の厚みを考慮して、適量入れます。
  3. 苔の裏に柔らかくしたケト土を塗って仮根と馴染むようにしっかりと押さえます。
  4. ソイルの上に好みの形で植え付けて完成です。

●育て方

週に1度、葉が濡れる程度に霧吹きで水を吹きかけるだけです。
半日陰になる場所に置いて育てましょう。

いろいろな苔の種類

一口に苔と言っても沢山の種類があり、実は専門家でも詳しく調べないと同定出来ないほどです。
しかし、普段目にするような代表的な苔は、大きく以下の3つに分類されています。

  • 蘚類(せんるい)
    葉に主脈状の細胞群があることが特徴で、地面から直立して生えるものと、地面を這うように生えるものがあります。
    大きさや形はいろいろですが、乾燥に強く硬い触り心地をしています。
    スギゴケなど直立して生えるタイプは、ミニキュアの樹の様な姿で、盆栽との相性が良く重宝されます。
  • 苔類(たいるい)
    蘚類に対して、苔類は盆栽では敬遠されがちです。
    海藻のような姿で見た目があまり良くないこと、地面を覆うように成長するので通気性や水はけが悪くなるので、盆栽にはあまり向いていないのです。
    大きさや形はいろいろですが、茎と葉の区別があるタイプとないタイプに別れます。
  • ツノゴケ類
    こちらも盆栽ではあまり好まれません。
    葉と茎の区別がない苔類のような姿に、蒴(さく)と呼ばれる角のような突起を出しています。

以上3つをまとめて蘚苔類(せんたいるい)と呼びますが、それは昔は蘚類と苔類の2つに分類さていた事に起因しています。

他にも地衣類(ちいるい)と呼ばれる、乾いた岩や樹皮に生えるものもあります。
蘚苔類とは全く違う生態をして、見た目も干からびた海藻のようです。
老樹に生えているイメージから、盆栽では年季を表現するために使われることがあります。
豊かな自然を思わせる効果のある蘚苔類とは対象的です。

苔盆栽の楽しみ方

苔盆栽の楽しみ方はいろいろです。

苔は和盆栽に植えられているイメージなので、敷居が高く感じるかもしれませんが、実はもっとラフに沢山の楽しみ方が出来ますよ。

最もシンプルなのは苔だけを育てることです。
素敵な器を用意して、苔を育ててみましょう。
部屋に緑があるだけで癒やされます。

石や砂利などを配置して小さな日本庭園のようにしてみるのも素敵です。
紅葉など苔と同じ様な育て方の出来る植物と、一緒に植えるとグッと雰囲気が出てきます。

使う石の色や形、配置する植物やアクセサリーによっては、洋風にアレンジすることも可能ですよ。

オシャレな方に人気のテラリウムにも、苔はぴったりです。

苔にはもう一つ、苔玉という使い方ができます。
丸い盆栽の様なシルエットは、和の情緒と優しいフォルムに癒やされますよね。
苔玉は普通に置くのも良いですが、吊るすと言う方法もあります。
逆さまにすると、植物は上向きに成長するのでとても個性的なインテリアに仕上がりますよ。

いろいろな楽しみ方が出来る苔ですから、あまり気構えずに自由な発想で苔ライフを楽しんでくださいね。