苔の栽培の土でおすすめな土と基本の配合の割合。苔別の配合も

苔にはどんなイメージがありますか?
触ると崩れてしまいそうな見た目かもしれませんが、実はとても丈夫な植物なのです。

我が家の日の当たらない敷地内でも苔は自生していますので、本当に丈夫なんだと感心してしまいます。

自宅で苔を栽培する人も増えていますが、苔を育てることは難しいのでしょうか。

初めて育てる場合は、土や水や日光はどうしたら良いのかよくわからないですね。
ここでは最初に用意する土について紹介していきます。

室内におすすめな土や、臭いが気になる場合の対処法。苔用の土に必要な、保水性や通気性の事。
赤玉土・ピートモス・バーミキュライトなどの基本の配合の割合。
また苔の種類に合わせた配合についてもご覧ください。

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苔を栽培する時の土についておすすめを紹介

苔を栽培してみようと考えた時、気になるのは土ではありませんか?

身近な場所でも苔を見かけますが、コンクリート塀やインターロッキングの隙間、石などに生えていますよね。
これでは、苔を栽培する時に土が必要なのかさえ、わからなくなりますよね。

苔という植物の特性

一般的な植物は、根から水分や養分を吸収しますが、苔は葉っぱから空気中の水分を直接吸収しています。
苔にも根を生やす種類がありますが、その根は「仮根」と呼ばれ、自分の体を固定するためのもので、水も養分も吸い上げません。
ですから、苔は土だけではなく石や木の上などにも生えることが出来るのです。

また、葉っぱからは水分だけを吸収しています。栄養は光合成によって生み出されているのです。

苔が育つために必要なものは、水と光

しかし、苔を育てる場合には土台となるものがやはり必要ですよね。
苔を育てる時に、土に求められる機能は以下の3つです。

土に求められる機能

  • 保水性
  • 排水性
  • 通気性

土は一般的な植物と同様に、育てる苔に合わせて、基本用土(赤玉土・黒土・鹿沼土・川砂など)を基本として、改良用土(ピートモス・バーミキュライトなど)を混ぜて機能を追加するのがベストです。

一般的な植物では保水性のためにピートモスを混ぜることが多いですが、苔の場合には水に触れている時間が長いため、ピートモスよりも腐りにくい樹皮培養土がおすすめです。分解速度がとても緩やかなので、臭いも出にくく苔玉などにも最適です。

ただし、樹皮培養土は生産者向けのものが多く入手が少し難しいのがデメリットです。
ネットショップなどでは少量から販売してるところもあります。

苔栽培の土に必要なのは保水性と通気性

苔の土に求められる機能についてもう少し詳しくご説明しましょう。

先ほどご紹介した3つの機能のうち、もっとも重要なのは「保水性」です。
苔は葉っぱから水分を吸収していますから、この様な機能は必要ないように思われるかもしれません。
しかし、室内で栽培する場合には意外と乾燥しているものです。土に保水性があれば、蓄えた水分が気化して適度な湿度を保ってくれます。

苔にも通気性が必要

また一般的な植物と違って、根腐れなどを気にしない苔の場合には、通気性も必要ないと感じるかもしれません。
しかし、通気性のある土は、土の中に空気の隙間があるということですから、仮根を発達させる種類や地下茎を伸ばして増える種類にとっては、生長するために必要な機能と言えるでしょう。

苔栽培の土は排水性もあると良い

土の保水性と通気性については理解できたけど、保水性の必要な苔には排水性は不要なのでは?と思われた方もいることでしょう。

確かに、保水性と排水性は一見反対の様に思えます。
適度な潤いを必要とする苔にとっては、保水性は重要です。
だからといって、常にジメジメしていたり、水が溜まっているような状態では、やはりうまく育つ事が出来ないのです。
苔の種類によってはジメジメとした環境を好むものもありますが、大半はそうではありません。
逆に水はけの良い土壌を好む種類の場合には、水に浸っていると葉っぱが変色してしまうものもあります。
また、苔は自分自身にも保水性がありますし、密集していることも多いので、余分な水分があると蒸れの原因にもなってしまいます。

苔には余分な水分が残らない程度の排水性が必要

それに、排水性がある土はお水をあげても土が固くなりにくいのです。何度かお水を与えていると、土がしまって固くなる事がありますよね。
そうなると水分を吸収しなくなってしまいます。排水性を備えた土は、そういった状況を防ぐ効果もあるのです。

標準的な苔用の土の配合について

どの様な植物の土にも言えることですが、万能な土はありません。
苔の種類が好む環境はそれぞれ違いますから、土もそれに合わせて作った方が定着しやすく、元気に育ってくれます。

乾燥に強い苔には排水性の高い土を、潤いが必要な苔には保水性を重要視すると良いでしょう。
また、苔を置く場所の乾燥度合いなども考慮すると、さらに良いと思います。

しかし、基準がわからなくては、調整が難しいですよね。

標準的な苔用の土の配合

黒土3:赤玉小粒2:川砂2:ピートモス2:バーミキュライト1

※先ほどご紹介した樹皮培養土は、生産者向けの商品が多くホームセンターなどで入手出来ない場合があるので使っていません。

保水性をメインに、排水性と通気性を持たせた配合です。

しかし、こんなにたくさんの種類を用意するのは難しいということもありますよね。
その様な時には赤玉小粒3:ピートモス7で、簡易的な土を作るのも良いでしょう。

葉っぱから水分を吸収する苔にとっては土の内容よりも、苔にあった環境を確保できれば良いのです。
苔を設置する場所が湿度のある場所であれば、保水性はさほど重要ではなくなりますよね。

土の事を難しく考えるよりも、苔にあった環境を作ると言うことを意識すると良いと思います。

苔の種類ごとにおすすめな土の配合をみてみよう

苔の種類ごとに、おすすめな土の配合をご紹介します。
設置場所などによっては多少異なってきますから、参考程度に見てください。

  • スギゴケ
    黒土3:赤玉小粒2:川砂2:ピートモス2:バーミキュライト1標準的な苔用の土の配合のままで良いでしょう。
    スギゴケは密集するまでは乾燥しやすいので、湿度を確保するために保水性重視の配合します。
  • スナゴケ・フデゴケ
    黒土2:赤玉小粒1:川砂4:ピートモス2:バーミキュライト1乾燥に強く水はけの良い、砂質の土を好みますから、川砂を増やして排水性を重視します。
    フデゴケは適度な保水性も欲しいので、育てる場所によっては赤玉小粒をもう少し増やしても良いでしょう。
  • シッポゴケ・カモジゴケ
    黒土3:赤玉小粒2:川砂2:ピートモス2:バーミキュライト1

林の半日陰の腐葉土の上などに群生するので、標準的な苔用の土の配合のままで大丈夫です。
腐葉土を混ぜてあげると、より自生する場所に近くなるのでおすすめです。

メジャーな苔の土をご紹介しました。
自生している場所に近い環境を用意してあげると、元気に育ってくれますよ。